――――我は逃げていた。

    誰から?

    無論、奴からだ。

    奴はまだ我の事を追って来る。

    もうこの国には奴から逃げ切れる所など存在しない。

    ならば、あそこへ逃げればいい。

    暫く、あそこで奴への対抗する策を考えよう。



    それまで、しばしの休戦だ。

    次に会うその時が、決戦だ。



         覚えていろよ、翠の主よ――――








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